日経ビジネスオンラインのコラムで、再び燃料電池車について書きました。
トヨタ自動車が、11月18日に燃料電池車(FCV)「MIRAI」を発売しました。これまでもリース販売は実施してきましたが、通常のクルマと同様の「売り切り」のFCVが市販されるのは世界で初めてです。1990年代の終わりからFCVの技術開発をウオッチしてきた私の目から見ると、MIRAIで実現した技術はまさに隔世の感があります。燃料電池は小型化され、コストも大幅に下がり、課題だった極低温の環境での始動性も実用的に問題のないところまで改善しています。
しかし、車両の側がいくら進歩しても、FCVの普及は進みません。現在は、燃料である水素の補給インフラをどのように整えるかという議論ばかりで、肝心の水素をどこから持ってくるのか、という議論はあまりなされていません。しかし、水素を最も低コストで製造する方法は現在、天然ガスを原料に使う方法で、この方法では水素の製造段階のでエネルギーのロスが大きく、トータルのエネルギー効率は電気自動車(EV)に劣ります。
今回のコラムではMIRAIの技術的にすごい点と、水素社会の抱える問題点についてまとめました。ぜひ御覧ください。