SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)とは何か(1)
SDVがにわかに注目されている。一つの理由は、2024年8月1日に開催された日産自動車とホンダの共同記者会見で、最初に説明された提携内容が、ニュースリリースのタイトルにもなっていた「次世代SDVプラットフォームに関する基礎的要素技術の共同研究契約」だったからだ。電動化コンポーネントの共通化や、車両の相互補完といった内容をさしおいて、SDVについて説明したのは、それだけ両社がSDVを重要視していることの表れといえる。
●日産自動車とホンダは、SDVの要素技術開発で提携する(資料:日産自動車、ホンダ)
ところが、SDVとは何か、ということになると、その定義は、実は語り手によってかなり異なる。一番よくある説明は、「買ったあともソフトウエアの追加や更新で、機能を追加したり機能を最新に保ったりできるクルマ」というものだ。これも確かにSDVの一面を表しているがすべてではない。別の定義として、ある自動車メーカーのエンジニアは「ソフトウエアを定義してからハード(ECU:電子制御ユニット)を選定するクルマ」だと説明していた。これまではまずECUを選定し、これに合わせてソフトウエアを設計していた。これを逆転させ、「ソフトウエアファーストで設計するクルマ」がSDVだという考え方だ(続く)。
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